PrimaveraNa-気づけば旅が仕事だった。

ツアコンとして世界を飛び回り、現在スペインでガイドをする生活。こんな時代だから本気で旅を見直そう。

マヨ—ル通り 約1KM弱に隠されたガイドブックに載っていない魅力 《前半》

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マヨ—ル通り 59番地 薬局

観光客ならず、スペイン人にも人気の通り。「マヨ—ル通り Calle Myor 」

何気に歩くと20分もかからないような道には、沢山の魅力が隠されています。

 今回は番地を見ながらガイドブックに載っていない面白い場所を探していきたいと思います。

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1分で読むマドリ-ドの発展

マドリ-ドが首都になったのは1561年。この道はメイン通りとして発展して行きます。それ以前は南に約70KMトレドが首都でした。

当時スペインは黄金時代。スペインハプスブルグ国王フェリペ2世が所有していた国は、フィリピン(国王フェリペの名から取って名づけられた)、新大陸殆どのヨ-ロッパ、「日の沈まない王国」と言われた時にこの道が発展して行きます。

と言うことは、当時このMadridは世界の中心地でもあり、世界中からこのマドリードで一旗挙げようなんて著名人がやってきた時代。

 

マヨ—ル通り1番地 アンデルセン?確かデンマーク人…。

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マヨ—ル通り1番地Casas de Cordero】

16世紀のサンフェリペ教会があった場所に大型住居が造られたのが1845年。計画者であったSantiago Alonso Cordero(サンチャゴ アロンソ コルデロ)の名前が建物に付けられました。

入り口右側に「1862年ハンス クリスチャン アンデルセンここに滞在した」の表記があります。アンデルセン!!「マッチ売りの少女」、「みにくいあひるの子」で世界的に有名な作家。彼は当時では珍しく旅本も残しているほど旅好きな人だったそうです。1862年マドリードプラド美術館も訪れたという記録が残されています。プラド美術館が一般公開されたのが1819年ですから、ヨ-ロッパでも著名人達が多く訪れたんでしょうね。今では、角がマクドナルドになっています。

マヨ—ル通りを挟んだ向かい側は、かわいい女の子が目印のパン屋さん1894年創業のラ マジョルキ-ナ(La Mallorquina)

地中海に浮かぶバレアレス諸島出身の3人の創業者にちなんでマジョルキーナ(バレアレス諸島マジョルカ人という意味)と名付けられました。

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地上階はテイクアウトと簡単なイートインスペース、上はサロンになっているので座ってゆっくりお茶ができます。ここのお勧めはナポリターナというパン。デニッシュ生地に卵の風味たっぷりのカスタ-ドクリームが挟んであります。甘党ではない私もついつい食べたくなる味。

 

19世紀から20世紀モデルニズモを代表する建築群

 

1番地を過ぎた辺りから素晴らしいモデルニズモ時代の建物が姿を現します。

1分で読むスペインモデルニズモ

日本ではアールヌーボと言った方が分かりやすいかもしれません。フランスを中心にヨ-ロッパで起こった芸術運動の事。バルセロナの方がモデルニズモ運動が盛んでした。この時代に第一線で活躍していたのが、アントニオ ガウディ(1852 1926年)。しかし、このマドリードでも有名な建築家が沢山いるんです。マドリードでモデルニズモ建築代表はアントニオ パラシオス(Antonio Palacios  1874–1945)。代表建築は何と言っても現在マドリード市庁舎であるシベレス宮殿。その他、現在のソル広場からシベレス広場までの区間を中心に沢山の建築物が残されています。 

 

マヨ—ル通り4番地  la Casa Palazuelo

アントニオ パラシオスが手掛けた1920年の建築。ファサード部分が円柱で他の建物とは大きくデザインが異なります。円柱の間には鉄とガラスが用いられ出窓が際立ち、まるで神殿を思わせる豪華な建物。

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左 4番地             右 7番地

 マヨ—ル通り7番地 Museo del Jamon

 スペインっ子なら誰でも利用するバル「Museo del Jamon」。日本のガイドブックでは生ハムミュージアムなんて紹介されています。この7番地はモデルニズモ建築の中に上手く組み込まれています。クリーム色の壁と細かい植物のリリーフにバルの真っ赤な屋根がとってもオシャレ。

 

マヨ—ル通り16番地  Edificio de la Compañía Colonial 

この通りで一番美しいと言われている建物です。オリジナルは、1854年創業のカカオなどの嗜好品を取り扱う建物でした。それを現在のようなモデルニズモの建物に変えたのが1909年、マドリ-ドので活躍していた建築家 Miguel Mathet(ミゲル マセット)の手によるものでした。

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美しいバルコニ-と大きく張り出された窓が特徴的。至るところにギリシャ神話の象徴と植物のリリーフが取り組まれています。最上階は、一部青い陶板が付けられています。スペインは18世紀から陶器も盛んに作られていました。良く見ると、「Té 」,「Café」,「Cacao」と描かれています。以前どんな建物だったのかが良く分かりますね。現在は地上階が銀行、上は住居です。

 

1598年創業 マドリ-ド一古くて美しい薬局

 

マヨ—ル通り59番地 La Farmacia Reina Madre 薬局

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驚きの1598年創業です。当時は近くのサクラメント通りにありました。黄金時代の国王フェリペ2世も利用していた薬局です。モデルニズモが進む1914年、オリジナルの建物をそのままマヨ—ル通りに移しました。

 

Reinaは王妃 Madreは母親と言う意味です。

この名前は18世紀ブルボン王朝初代フェリペ5世の2番目の王妃 Isabel de Farnesioを意味するのではないかと言われています。フェリペ5世とこの王妃の間にできた子が後にマドリードの街改革を行うカルロス3世となります。ということは、創業当初は違う名前だったんですね。

 

外観は小さく目立たないのですが内装が美しく、昔の雰囲気を残した素晴らしい薬局です。近くに立ち寄った際には、絆創膏、マスクなど購入してみてはいかがでしょう。

 

 

primaverana.info

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