PrimaveraNa-気づけば旅が仕事だった。

ツアコンとして世界を飛び回り、現在スペインでガイドをする生活。こんな時代だから本気で旅を見直そう。

自宅プラド美術館【番外編】 ヒロニエムス・ボスが描く欲望と赤い実 

f:id:PrimaveraNa:20201005223208p:plain

この画家の事を何も知らずに初めて「快楽の園」の前に立った時、衝撃でその前から離れることが出来なっかたのを覚えています。人間の欲深さを美しく詩的に描いた画家El Bosco日本では画家《ヒロニエムス・ボス》と言われています。

斬新な色使いとタッチで高い人気のあるボスの絵は、世界に30点もなくその中の10点はプラド美術館が所蔵しています。

15,16世紀 国王達を虜にしたボスの絵

 

3分でボスを知る (1450-1516頃)

画家一族3代目、本名はイエルン・ファン・アーケン。15世紀フランドル地方(現在のオランダ・ベルギー付近)スヘルト-ヘンボス出身のため、生涯画家の名をボスとした。「聖母マリア兄弟会」というキリスト教友愛団体に所属し、絵画の制作活動をする一方、主に王族貴族からの注文を受けていた。

Map Burgundian Netherlands 1477-en.png
元々、彼のコレクターはスペイン黄金時代の国王カール5世の父で美男王と言われた国王フィリップ(1478年 - 1506年)。この国王の妻が知る人ぞ知る狂女フアナ。国王フィリップが亡くなるとボスコレクションが必然的にスペイン国王の物となり、後を継いだ孫にあたる国王フェリペ2世が蒐集していったのです。詳細は↓↓

primaverana.info

 では早速絵画を見ていきましょう。公式ページを開き、絵画解説左下の「SEE WORK ON THE MUSEUM WEBSITE」をクリック→絵を拡大して楽しんで下さい。

サイトの使い方はこちら↓↓  https://www.museodelprado.es/en

primaverana.info

青文字→絵のタイトル。コピペして公式ページ検索欄に入れて下さい。英語表記

赤文字→登場する人物の名前。人間関係をより一層分かりやすくしています。

 

El Bosco ボス 1450年頃 フランドル

15世紀は識字率が低かったため、聖書の内容を絵にして説明する作品が主流でした。

f:id:PrimaveraNa:20201002024430j:plain

The Garden of Earthly Delights Triptych】快楽の園 1490年頃 宗教画 

2.2m×3.8m迫力ある大きな作品。見て分かるように3つの違う場面を描いています。この絵は左右が開閉式になっており、閉めると天地創造の姿がモノクロームで誕生する仕組みになっています。スト-リ-は左から始まります。「アダムとイブ」「欲望と堕落の世界」「地獄」

左の絵を拡大。まだ写真がない時代、実物を見なかったであろうゾウやキリンを正確にに捉え、同時に架空の生物も沢山生み出しています。泉の中、ピンクの塔は15世紀とは思えない斬新な描き方です。この塔の右側を拡大してみて下さい。男性の横顔に見えますか?こういったダブルイメージ手法に強く影響を受けたのが、スペイン現代ア-ト巨匠のダリでした。まさにシュルレアリスムの世界ですね。

f:id:PrimaveraNa:20201005234902p:plain
f:id:PrimaveraNa:20201002192837p:plain

 彼の作品はミステリアスで謎が多い。真ん中の原罪を描いた場面は、赤い実を楽しむ人間と動物達。ありとあらゆる欲望、性欲が詩的に描かれています。興味深い事に白人、黒人、黄色人とその肌の色も様々に描かれています。

f:id:PrimaveraNa:20201006043403p:plain
f:id:PrimaveraNa:20201006000131p:plain

ボスのはっきりした自画像は残されていません。しかし、この原罪の中で唯一こちらを向いている人物。彼こそが自画像なのではないかと言われています。どこにあるのか拡大して探してみて下さい。

f:id:PrimaveraNa:20201006000148p:plain

今度は右の地獄。当時、欲の象徴とされていた楽器によって苦しめられている人々。見た事のないこの楽器は15世紀フランドル地方で使われていた楽器です。その中に奇妙なメロディーを奏でる「お尻に掛かれた楽譜」。枯れ木にされてしまった男がこちらを見て怪しく微笑んでいる。拡大して隅々まで見て下さい。ぞっとします。

f:id:PrimaveraNa:20201006043358p:plain
f:id:PrimaveraNa:20201006043714p:plain

最後は絵全体を見て下さい。楽園の園からアダムとイブの間に立つ「神」、地獄からは枯れ木にされた男。この二人がこちらを向いている。その間に立ち正面の原罪を見つめた時、自分の内面が鏡のように映し出されると言われています。国王フェリペ2世は晩年、自室にこの絵を運ばせました。死を直前に国王はこの絵を見て何を思ったのか?

「罪深い人程多くが見える」。自分にだけ見つかる「何か」があるはずです。

 

結論は、この絵には答えはない、また必要ない

【この世は地獄か天国か】このサブタイトルがインパクト大。 世界中の各方面で活躍するアーティストが【快楽の園】を前にして何を述べるか。お尻に刻まれた楽譜が奏でる音楽を歌うシ-ンが印象的です。さらに、X線を通して初めて解明される驚くべき下絵。
プラド美術館全面協力の元でフランスが作成したドキュメンタリーDVD。非常に興味深いです。↓↓

謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス [DVD]

謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス [DVD]

  • 発売日: 2018/06/02
  • メディア: DVD
 

 こちら↓↓は拡大写真でじっくり説明されていて面白いです。

 プラドオフィシャルサイトには他のボスの絵も楽しむことが出来ます。

本日はここまで…。引き続き自宅プラド美術館をお楽しみ下さい。

 

 

 

このブログは「はてなブログ」で運営しています。

はてなブログの方は読者登録も宜しくお願いします☆

 

にほんブログ村 旅行ブログ スペイン旅行へ
にほんブログ村