スペインではクリスマス約1か月前の11月半ばから、至る所で生ハムがずらりと並びます。どれも同じように見えるこの生ハムの足!やはり美味しい物を選びたいですよね。どんな種類があるのかご紹介していきたいと思います。
スペインでは大きく分けてハモン・セラ-ノとハモン・イベリコがありますが違いは簡単。
【ハモン・セラ-ノ】はヨーロッパで一般的に食される白豚使用。
-「セラ-ノ」とはスペイン語で「山岳」という意味です。昔は山岳地帯で育てられていましたが、現在は農場管理の元で育ちます。
【ハモン・イベリコ】はイベリア半島在来種の黒豚使用。
-他国では取り扱われていない貴重な豚です。「イベリコ」とはスペイン語で「イベリアの」という意味です。
実は、スペインで生産されている生ハムの90%以上は成長が早く取り扱いやすいハモン・セラ-ノ。ということで、ハモン・イベリコは大変貴重ということになります。
最近日本でもスペインバルで見かけるようになった生ハム。 イベリコかセラ-ノかは「足のひづめ」を見ると一目で分かります。蹄が白い場合はセラ-ノ、黒い場合はイベリコです。スペインではその蹄が黒いことから、ハモン・イベリコのことを「Pata Negra」パッタ・ネグラと呼んでいます。「パッタ」はスペイン語で「足」、「ネグラ」は「黒」という意味があります。
最高級と言われているハモン・イベリコですが、与える餌と環境でさらに4ランクに分けられています。偽造商品があまりにも増えたため、2014年から品質に合わせて誰でも見分けることができる色付けタグが誕生。
①豚の種類-50%以上がイベリコ種であること
100%の純血のイベリコ豚
75%―母豚が純イベリコ種、父豚が50%イベリコ種
50%―母豚が純イベリコ種、父豚が別種(主に赤豚のデュロック種)
②餌と環境が重要
黒―100%イベリコ種でドングリのみを食べ放し飼い。100%イベリコ種
赤―50%~75%イベリコ種 ドングリのみを食べ放し飼い。
緑―50%以上イベリコ種 飼料 放し飼い
白―50%以上イベリコ種 飼料 農場
黒と赤タグが付けられている豚はドングリの時期である10月からは、ドングリを求めて1日数十キロも歩き廻ります。
③熟成期間
ハモン・セラ-ノの熟成期間は
Bodega-10か月以上
Reserva-12か月以上
Gran Reserva-15か月以上
最高級のハモン・イベリコは最短20か月以上
イベリコ100%の最高級は36か月なんと3年熟成する必要があります。
最高級のイベリコ豚は一般的に後ろ脚を指し、片足が7kg以上あります。一般のス―パ-で売られている物は白・緑タグが多く、それでも1本100ユ-ロ超え。最高級の黒ラベルは300ユーロなんて当たり前の世界です。またPaleta(パレタ)と言われる前足は5㎏前後、こちらはお値段がぐっと下がるのでねらい目ですね。
最高級のハモン・セラ-ノはやはり肉そのものの旨味を味わうのがお勧めですが、 ランクに合わせて色んなアレンジを楽しむことができます。バゲットをこんがり焼いてオリ-ブオイルをたらし、すりつぶしたトマトをたっぷりのせ生ハムを飾ると最高の朝食になります。また、子どもが大好きなフライドポテトも半熟卵と生ハムを乗せるだけでお酒のおつまみに大変身。ぜひお試し下さい。
クリスマスの雰囲気やバルの様子をライブで楽しむことが出来るオンラインツアー絶賛受付中。生ハムやスパニッシュオムレツも登場します。ワイン片手にご参加下さい。
12月29日(火)日本時間20時~(約1時間)
このブログは「はてなブログ」で運営しています。
はてなブログの方は読者登録も宜しくお願いします☆